12月15日株券電子化、特需に沸く―日立、NTTデータ、野村総研。
2006/12/15, 日経産業新聞 より引用です。
IT業界は景気がよさそうです。
しかし、工数不足、人材不足などSOX法の導入と重なって
問題が出てきそうです。
まあ、参考情報というところで。
株券電子化、特需に沸く―日立、NTTデータ、野村総研。
日立、証券会社にコンサル
NTTデータ、名義変更などを代行
野村総研、共同システムを促す
情報システム各社が、株券電子化に向けた支援サービスに注力している。株券電子化は株券を紙で発行せず、電子的に管理する仕組み。二〇〇九年一月に完全移行する。ただ日本版SOX(企業改革)法の施行と重複することもあり、中堅証券会社を中心に対策が遅れがち。不要となるシステムの査定など、短期間で電子化に対応できるサービスを商機とにらんでいる。
電子化に伴って、証券会社は株券の預かり・返却、企業の株印の登録・保存などが不要となる。日立製作所はこうした業務を選別するコンサルティングサービスを今秋から始めた。口座開設手続きなどの業務代行サービスも手掛ける。
電子化で全上場企業の株主情報を一元管理する証券保管振替機構に、株主情報を伝えるための情報システムも一式で提供する。「証券会社の業務コストを最大三分の一に削減させる」(金融システム事業部の長稔也ビジネスコンサルティング部長)と意気込む。同社の金融システム事業部が窓口になって、証券会社や信託銀行など証券業務を手掛ける金融機関を中心に支援。今後三年間で二百億円の売上高を目指す。
NTTデータは、株売買成立後の名義変更などの事務作業について代行サービスを始めた。独自開発した名簿管理ソフトを使って、振替機構への名簿届け出を証券会社自ら行うより効率的にできるという。
「業務の効率化や業務委託により、証券会社は顧客獲得といった営業戦略に注力できる」(平岩孝一郎・金融戦略ビジネス推進室長)。二年後には年百億円以上の売上高を見込む。
「株券電子化対応完了後も見据えた提案に心がけている」と考えているのが、野村総合研究所。証券業務の共同運用代行システムの利用を、証券会社に促している。証券会社数社の業務を一括で手掛けるため、各社の運用コストは削減できる。証券法制の変更時も、証券会社の手を煩わせずに済むからだ。
株券電子化の開始時期は、企業の内部統制強化を求める日本版SOX法が義務づけられる二〇〇九年三月期。そのため「中堅の証券会社はSOX法対策に追われ、証券電子化対策が遅れているのが現状だ」(日立の長部長)という。
証券会社の対策遅れは懸念材料でもある。SOX法も株券電子化も施行時期が決まっているだけに、それまでには是が非でも対応を完了しなくてはいけない。
だがIT(情報技術)市場の好況を受け、システム技術者の人手不足は業界全体の問題となった。システム各社は、やみくもな受注獲得による「不採算案件」で収益の足を引っ張った経験を積んだばかり。「来年になって一斉に申し込まれても、すべて対応はできない」と、内情を明かすIT関係者もいる。
不況時は採算度外視の受注競争に走り、好況時は人手不足で需要に応えきれない。社会や企業のインフラである情報システムだが、それを手掛ける業界は依然として後手後手に回っている。今後、業界の悪弊であるミスマッチは打破できるのか。電子化対応特需は、システム各社が安定成長に向けた強じんな体質へ生まれ変われるかを占う試金石になりそうだ。
スポンサードリンク